そらちグルメフォンド(4) おひるごはんがないです。
2014年 08月 27日
この記事は,2014年に開催された第1回そらちグルメフォンドについて,一参加者の目線で書いたものです。
私以外にも同様の報告やレビューが寄せられたこともあってか,公式(運営)が謝罪する結果となりました。
それ以外にも様々な部分に疑義があったのかは定かでないものの,翌2015年の第2回からは運営組織自体が変わっております。
その結果として,見違えるほどよいサイクルイベントになりました。私自身も,2017年の第4回でそれを実感しています。
よって,この記事の状況が今に続いているものではないことを,予めご理解の上でお読み頂くようお願いします。
正直、第1エイドからドス黒い感情を抱いてしまったことは否定しない。
しかし、それを口に出すことでこれまで準備をし、アイテムを揃えてきた相方の気を削いでも仕方ない。
とにかく今はこのイベントを楽しもうってことを前に出しつつ、三笠のエイドをスタートする。
岩見沢に出るまではアップダウンを繰り返す。茂世丑はちょうど谷間に当たる位置だ。
相方は登りが苦手なようだけど、自分はヒルクライムが楽しく感じた。
コスカボでもそれなりに登れるじゃん。
もっとキツくてもいいかも。
もっと長くてもいいかも。
よし、ルーラーからクライマーに転向しよう、なんて。
ここで少しでも楽しみをと、無意識に感じただけなのかもしれないけれども。
ここまで頑張っているが、第1エイドの酷さもあって相当オカンムリである。
まぁ、腹が減ってはサイクリングは出来ないのだよ。登山もそうだけど、小まめな補給は必須。
次のエイドは岩見沢のバラ園で、茂世丑からは距離にして10kmほど先だろうか。
自分たちが全参加者のどのあたりに位置してるのか、全く分からない状態であるが……。
少なくとも全体の3分の2よりも後ろからスタートしているし、かっ飛ばしてきたわけではないから、
前には相当人数がいるはずだ。
そうなれば、次のエイドでも食べられないものが多いんだろうな……。
などと考えつつ、坂を下ってきた相方に休憩を促すが、不要らしい。そのまま茂世丑を後にする。
そこそこキツめかな?
ここで無理に脚を使っても仕方ない、とローギアに入れたところチェーンが脱落www
うっはマジかよwwwww
しかもフリー側のハブとローギアの間にチェーンが挟まって取れないっwwwwっうぇwww
チェーンを引っ張っても食い込んでてなかなか取れない。苦戦する。
途中、通りかかった軽トラ(関係車)の方に手伝ってもらい、やっとの思いでチェーンを引っこ抜いて……。
チェーンをスプロケに通して……無事復帰……。
うう……この日のためにと大枚はたいて買ったコスカボ(のハブ)があっさりと傷物に……。
しょんぼりしつつも、気を取り直してゴリゴリ登る。やっぱクライマーに転向してやる。
うん。手稲山に挑んでやる。……跳ね返されるだろうけど。
相方が遅れ気味なので、頂上までは単独。
前には恐らく100kmコース最年少、9歳の男の子もお父さんと一緒に頑張って登っている。
あー、せめてこの子にはまともなメシ食わせてやってくれー。
頂上には給水ポイント(移動式エイド)があったので、相方と合流。コップ1杯の水を頂く。
ここから先は楽しい楽しいダウンヒル。アウタートップで快調に飛ばし、そのまま栗沢入り。
栗沢駅前を抜け、志文駅付近で沿道から声援を受ける。
あぁ、ありがとうありがとう。荒んだ心を癒してくれるよ。
そのまま岩見沢へと突入し、第2エイドの岩見沢公園バラ園に到着。
結構な人が休憩している。テントの一部に長蛇の列を認める……。アレは何ぞ?
気になるが、腹が減りすぎて写真を撮ってる余裕はない。
とりあえず木陰に自転車を置き、相方とエイドのテントへ向かう。
ここではきじ肉入り汁無し麺、キジ飯一口おにぎり、野菜スープ、カットスイカ、カットメロンの他に、
リンゴジュース等の飲料が置いてあるはずだ。
テントへ行くとあんぱんの張り紙もしてあるが、キジ飯一口おにぎりもあんぱんもソールドアウトwww
くっそwww
ふwざwけwんwなwwwwww
まともに補給となりそうなものは、と見回す。紙コップに入って供されているトマトスープ……か。
塩分補給は出来るだろうけれど、エネルギー源にはならないだろうなぁ……。
テーブルには、事前情報にない太巻き(1人ひと切れ)、稲荷ずし(1人1つ)。
プラカップに入ったカットメロン。バットに入ったカットスイカ。
それ以外にはいくつかの飲料。
左側の長蛇の列は汁無し麺らしい。
ここで再びドス黒い感情が溢れる。
……あのさ、第1エイドはスタート後間もなくだったからまだいいけど、ここは第2エイドですよ?
時間的にお昼ですよ?あんだーすたん?
それなのにお昼ご飯はありませんって?
途中でハンガーノックになって苦しめって?
遅いヤツは氏ねって?
どーせ、おにぎりもアンパンも先着順なんだろ?
「速度を競わない」と言いつつ、結局は食を巡って争うロードレースなんだろ?
なるほど、グルメフォンドってそういうイベントなのか。知りませんでした。不勉強でしたっ!
……あー、アホらし。
冷静に冷静にと思うが、流石に自分もイラつき始める。
先にスタートしてりゃ美味しい美味しいグルメフォンドを堪能出来るのかもね。
人数分の用意が無いなら無いって最初から言ってほしい。と、かなーり残念な気持ちになる自分。
近くにいる相方はもう沸騰寸前である。こりゃダメだ。
食べるものがないなら汁無し麺に並ぶよね、みんな。でも、あまりに多いので並ぶのを諦めるよ……。
トマトスープはお代わり自由だったので3杯頂く。コレは美味しい。身体に塩気が染みる。
太巻き一切れと稲荷ずしを1つずつ食べて、この先を考える。残り45kmだ。
第3エイドは80㎞地点。ここから25㎞先、1時間くらいの距離だろう。
だが、事前情報からあまりエネルギーに代わるものはそこにないはず。
ここで食べておかないと途中でハンガーノックは必至だし、後半は畑の中を通るのでコンビニもない。
個人での補給は絶望的、ってことだな。それに、補給食を持参してないのが致命的だわ。
手元にあるのはボトル半分くらいのスポーツドリンクだけ。途中で「水」は貰えるが、それでは持たない。
途方に暮れていると、テントでの配布物におにぎりとあんぱんが追加されたらしいのでもらいに行く。
明らかに苦肉の策だよなー、これ。
擁護するわけではないが、エイドの人たち……岩見沢の人が協力してるんだと思うんだけどもね、
エイドの人たちは悪くないんだよ、きっと。
声張ってるおばちゃん方は、本当に申し訳なさそうに残ってるものモノを必死に提供しているわけだし、
汁無し麺に並ぶ参加者たちにスイカを配ってもいた。
限られた食を得ようと並んでいるわけだよ。ゴールするために食べなきゃ途中で動けなくなるから。
日差しを遮るものもなく並ばなきゃならない。それだけで体力も消耗していく。
だからせめても、という思いでスイカを配っていた。それに、
「せっかく来てくれたんだから……」
との言葉も聞こえた。もうね、それだけで切ない気持ちになるわけだよ。
運営責任者、てめぇはここでおばちゃん方に額が擦り切れるまで土下座して詫びやがれ。
とにかく、食べないと先に進めない。
おにぎりとあんぱんを相方と食べる。残りを走り切るためには食べなきゃダメだ。
地域の美味しい食を楽しみながら、自転車で空知を巡る「グルメフォンド」の金看板はそこにない。
なんだか空しくなってきた。
55km走ってきて期待はことごとく外れたし。ここでリタイアしてもいいかな、と本気で思った。
この気持ちのまま走っても、恐らく楽しくない。
100km走るだけなら個人でも出来る。美味しいものを食べるなら、個人でプランを立てられる。
早期申し込みで割引が掛っているとしても、流石にこれ以上走っても得られるものはなさそうだ。
だから、相方に「ここでやめようか」と言いかけた。
走っても楽しめなさそうだと感じてしまえば、続ける理由がなくなるんだよね。ホント。
ふと見ると、参加者は次々と出発していく。恐らく、食べられてない人もいるはずだ。
9歳の子はしっかり補給出来ただろうか?
このままいくと第3エイドでも何も食べられないだろうけど……。
とりあえず。ラーメンの行列もだいぶ減ったんで並んでみよう。
どうやらまだ汁無し麺はあるようだ。ま、リタイアするか続けるかは食べてから決めることにしよう。
相方は「ラーメンいらない」と言っていたが、テントで2つ頂く。
隣のテントを見れば、件のおばちゃんが到着したばかりの女性に謝りながらおにぎりとアンパンを配る。
「さっき来た友達にもあげて」と。
たぶん、おばちゃん方は参加者から文句を言われたんじゃないだろうか。
太巻き一切れ?
稲荷ずし1つ?
冗談でしょ?足りないよ。
なんでないの?グルメフォンドでしょ?
人数分ないのはなんで?
と、色々言われたかもしれない。繰り返すが、人数分の用意はないとアナウンスもないしさ。
目の前にいる「主催側の人」を直接責めたい気持ちは分かる。自分だってそう思う。
思いつくままに文句も言いたい。けれども、それは計画段階の問題なんだよね……悲しいことに。
通りで最後まで無くならないわけだ。提供頂いたお店の方、ありがとうございます。
この汁無し麺に救われました。